2023年9月24日 シェンクワン県パーサイ郡
2023年9月24日、皆様から頂いた衣類をシェンクワン県パーサイ郡に配らせて頂きました。
その様子を報告します。
今回は事前にパーサイ郡の役所を訪問し、我々の活動を報告してきました。
知事からパーサイ郡の事を教えてもらい、今回は3つの村に配りに行くことに。
パーサイ郡には合計31の村があり、その中でも支援を必要としている家庭の多い3つの村を選んでもらいました。
私事ですが、このパーサイ郡で新たな事業を始めることになりました。
末尾で紹介させて頂きますので、ぜひ最後までご覧ください。
今回、私の先輩(日本人)が我々の活動をぜひ見学したいとの事で、はるばる日本からシェンクワンまで手伝いに来て下さいました。
当日は日曜日にも関わらず、知事も同行して下さり、また県のウェブサイトに我々の活動が掲載されるとのことで広報の方(カメラマン)もいらっしゃいました。
サンクチュアリ、ラオスのメディアデビューです。
ラオスの9月はまだ雨季なのですが、この日は久しぶりに雨が止み、村人の多くは畑や田んぼ、外仕事に出掛けている方が多く、それでもたくさんの方が我々に会いにきてくれました。
ここは山の奥ではありませんが、それでも標高は高く、冬にはとても冷え込みます。
子供の衣類、暖かい衣類をとても喜んでくれました。
村長さんたちと記念撮影を終え、次の村へ。
後藤も力仕事するも役立たず。
力仕事は力持ちに任せ、村人と談笑。
どの村でも、「ありがとう、ありがとう」とお酒を振る舞われるのですが、このお姉さんは手に持った瓶が空くまでひたすらお酒を注いでくれました。
自家製ウイスキー(アルコール45%以上)、これがこの地域のおもてなし。
ここでも村長さんたちと記念撮影を終え、最後の村へ。
3つ目の村は今日訪問した中で一番大きく、テントを建てて待ってくれていました。
知事さんはここでもしこたま飲まされていましたが、これも知事の仕事ですね。
↑赤い椅子に座っている苦しそうな顔の方が知事さん。
集まってくれていた方達は比較的しっかりした服を来ていて、話を聞いてみると、
集まってくれていた方達は集会所の近所の方達で、我々が帰った後、受け取った衣類とお祈りをして、必要としている家庭に届けてくれるとのことでした。
知事から感謝状まで頂きました。
オフィスに大切に飾らせて頂きます。
ラオスのインフレ
インフレとはモノの値段が上がり続ける状態のこと。
モノの値段が上がることは、言い換えると「お金の価値が下がる」ことです。
例えば、それまで100円で買えていたジュースが2倍の200円になったとします。
同じジュースを手に入れるのに以前の2倍のお金が必要になったわけですから、
お金の価値は2分の1になったといえるでしょう。
日本では現在円安が進行しており、特に輸入品の価格が上がっています。
資源が乏しい日本ではガソリン等も輸入に頼っており、家計に影響を与えているのではないでしょうか。
景気が悪い?政治が悪い?
ここでそれらには触れませんが、
数字で見る日本のインフレ率(コアCPI上昇率)は、
2023年8月調査
2023年度に前年比+2.67%、
2024年度に同+1.71%(予想)。
ラオスの数字も見てみましょう。
2023年9月調査
2023年9月、前年同月比+25.69%
日本の約10倍のインフレが進んでいます。
上の図の通り、2023年初旬では、前年同月比40%を超えていました。
↑こちらはガソリン価格なのですが、レギュラーガソリン 1リットル : 約180円(軽油でも約150円)。
ラオスの平均収入は日本の10分の1以下と言われています。
私の車は軽油車ですが、70リットル入れると1万円を超えます。
月に2-3万円の収入でバイクを使うラオス人にとっても、一ヶ月数千円のガソリンはとても大きな負担です。
シェンクワンなど地方に住み自給自足の生活をしている人たちにとって、
生活必需品のバイクのガソリンの購入に特に大打撃を与えているのは言うまでもありません。
ボランティアの意義
衣類を配るだけでは根本的に彼らの生活を変えることはできません。
しかし、日本に生まれ、彼らより選択肢が多い環境にいるありがたさを実感し、
一瞬でも役に立てるのであれば、
私は私にできることをしたいと思います。
寄付で作られた水道施設、老朽化が進み、メンテナンスする費用がなく、今は使われていません。
継続し続けることの大切さ、そして難しさを感じます。
本活動に関わってくださる全ての方、サンクチュアリ会員の皆様に改めて感謝します。
ありがとうございます。
11月には迫本代表、吉田さんがラオスへいらっしゃる予定。
実際にシェンクワンで活動できるよう段取りをしています。
乞うご期待。
冒頭で触れました私事。
シェンクワンで何か新しいことをやりたいとかねてから考えていました。
本活動を通じてシェンクワンの事を深く知る中で、
水事業を始めることとなりました。
ラオスの水道水は都心部でも飲料水として使うことはできません。
日本のように水道水を飲める国はアジア圏では日本のみ。
世界中でも10ヶ国ほどと言われています。
ラオスで飲料水は飲料用に売られているペットボトルの水を飲みます。
330ml, 500ml, 2Lなど種類はたくさんあり、家庭で料理などにはこの20Lの大きなボトルがよく使われます。
上に触れたように、ラオスの物価上昇はこの飲料水においても例外ではありません。
パーサイ郡ではしっかりとした上水設備はなく、
山の湧水を各村にひき、それを生活水として使用しています。
もちろん濾過もされておらず、自然に湧いている状態の水です。
衛生的ではありませんが、この水が供給されている村は良い方で、
パーサイ郡で31ある村の内、供給されている村は18の村のみ。
残りの13の村にはこういった設備すらありません。
家庭ごとに池や川へ行き、生活水を汲んでくる生活です。
半年かけ綺麗な湧水を見つけ。水事業を行う許可を取りました。
事業としてはもちろんですが、周辺地域に安心安全な水を100%供給する。
これを目標に、新たな挑戦を始めます。
後藤